あれが安達太良山、あの光るのが・・・

安達太良山と阿武隈川のもとで、平凡に生きるオヤジのありふれた日常・・・

これがわたしの“LSD”?

『長距離を気持ちよく楽に走れるペダリングというものはないだろうか?』ということに端を発した、わたしの身勝手な要望ではありましたが、ここにきてようやく少しだけ光が射してきたような気がしています。

競技のようにスピードを要求されるのであれば、高速になればなるほど空気抵抗はばかに出来ないものとなってくるでしょうから、脚力が同じとした場合、空気力学的に風圧を受ける面積をいかに小さくするかが勝敗のカギとなってきます。ですから前傾の低いライディングフォームはとても大事なことだと思います。ところが健康のために自転車に乗り、それを楽しもうとする休日ライダーのわたしには、レーサーまがいのキツい前傾フォームにこだわる必要はないと思ったのです。走った後で腰が痛くなったり、足が痛くなったりしたら・・・、まして故障してしまったりしたら、それはもう本末転倒と言わざるを得ません。

そこで先日から試していることなのですが、ネットのいたるところに『骨盤を立てる』という自転車乗りの基本みたいに言われていることがあります。そしてこれはまさしくその通りなのだとわたしも思っています。ところが「じゃあ具体的にどうするの?」って言うところを読みとれる記事がなかなか無いんです。いきなり上体を倒してしまえば、骨盤も一緒に前に傾いてしまいます。そこで『お臍の上から上体を折るようにして・・・』なんて自分でも思っていたし、他の方にもそんなふうにお話ししていたのです。

わたし自身はそれでちゃんと『骨盤を立てる』姿勢が出来ているものだと思っていました。前にも述べましたが“骨盤が立っていれば大腿四等筋を使い、倒れているとハムストリングス大腿二頭筋など)を使う”という一節。かなり窮屈な骨盤を立てた(つもりの)前傾姿勢で頑張っているのですが、以前として起こる右足ヒザ裏の痛み。「原因はこれですよ」と特定は出来ません。それにはサドルの高さや前後位置、ハンドルの高さや位置、クリートの位置やペダリングフォームまで考えられる原因は少なくないと思えるからです。

しかし先日走っているときに、ふとしたことがきっかけでドロップハンドルの持つ位置を、コントロールレバーのブラケットから放してハンドル手前の中央付近のフラットな部分に変えて上体を起こしてみたのです。それは驚くほど楽な姿勢でした。そう言えば以前、フラットバーハンドルの“PROGRESSIVE FRD-900”に乗っていたとき『フラットバーハンドルは同じ所を持ち続けるしかないために、姿勢を変えることが出来ない、その点ドロップハンドルは握る部分を様々な位置に変えることが出来て、疲れを癒すことが出来るところがいい』なんて言っていたのに、いざドロップハンドルの自転車を手にした途端、もうすっかりそれも忘れて、ブラケットを握った低い姿勢がカッコイイつもりになっていたようなのです。



そこでみちのく自転車道から白河まで、ハンドルの持つ位置を中央よりのフラットな部分に変えて、何度か試走してみました。もちろんブレーキが頻繁に必要なところでは、しっかりとブラケットを握って、また疲れたときや向かい風の時なども、それなりに持ち方を変えてです。その結果はこれからのロングツーリングに向けて、実に明るい希望の見える結果だったと言えます。第一に、わたしが平坦なところを走行する30~35kmぐらいでは、ブラケットを持った低い姿勢と比べて、スピードに関しては少しも遜色がありません。しかも、すごく楽にペダリング出来る効果の方が大きくて、かえってスピードが出ているんじゃないかと思えたりするほどでした。そして第二は、いままで“引き足”というものを、それなりに鍛えなければ決して使えないプロ用の技だと思ってきたのですが、これもかなり楽に使えることが分かりました(でも長続きはしないのです。やはり基本的に鍛え方が足りないのかもしれませんが、引き足だけで漕ぐことも出来るんですよ、これが・・・)。

そこで感じたことは、ママチャリに乗るときのような、サドルにドッカと腰を下ろして、上半身に負担のない姿勢のとき、ホラそれが『骨盤が立っている』状態なんだと思いました。ですから高速を必要とするレース以外ではその態勢が維持できるのがいいと思ったのです。でも少なからずスポーツバイクは前傾するように作られていますから、できる限り楽な姿勢が維持できるように、ほんの少しサドルやハンドルの位置を見直して見ることも必要だと思いました。そしてハンドルの握りの位置を変えながら、どの態勢が自分にとって一番楽なのかをあれこれ試してみました。そして前傾が必要になったときは骨盤の位置を保ちながら、背中を少しづつ曲げて、曲げて、曲げて・・・行くようにしました。窮屈ですが短時間だったらなんとかなります。この姿勢を長時間保つためにはやはり訓練が必要なようです。ですが休日ライダーのわたしにはそれも必要ないのかもしれません。

そして今回、再びそれを検証するために時間的には“ユルい走り”でしたが180kmを越えて走ってみました。ところが両足にまったく痛みは発生せず、たいへん楽しく走ってくることが出来ました。そして今後も、自分にとって一番いいと思えるこの“ユルい走り”を、さらに発展させて行くために、『ベストペダリング』と『koji式キック・ペダリング』、さらにはライディングフォームの検証をしながら、自転車を心底楽しんで行こうと思っているのであります。

さてさて、どうなりますことやら・・・。