あれが安達太良山、あの光るのが・・・

安達太良山と阿武隈川のもとで、平凡に生きるオヤジのありふれた日常・・・

ああっ女神さまっ!



【発端】
2年定期の預金利息で新しい自転車を買うはずだったのですが、先日からの風向きが順風で、まさに願ったり叶ったり。ここは上手に風に乗って、2カ年計画の“前倒し”をしようと思うに至りました。



【経過】
突然“ワイフ君”から聞かれました。
「いったい、いくらの自転車を買ったの?」
「・・・」
「言わなきゃしょうがないじゃないの」
「・・・」
近くにあった自転車のカタログを指さして、
「これ」
と、わたし・・・。
「◎◎万?」
と、“ワイフ君”。
「ちがう、それは、ほら『フレーム単体』って書いてあるだろう」
「???」
と、わたしはその隣にある数字を指さして
「これ」
「◎◎万!」
と“ワイフ君”はテレビに夢中の娘たちに向かって
「◎◎万だって!」
「えっ!?」
と娘たちは言ったきり、またテレビを見ています。



【判決】

「お金はあるの?」
(おお、なんてやさしい!)
「あなたの〇〇にあるんでしょう?」
「うん、おれの〇〇にある。それから払う」
(どっから出したって、豊かでない我が家の家計から出ていくことに変わりはないんです)
「いいんじゃないの、ねえ。お父さんは道楽しないんだから」
と“ワイフ君”が言ったのは、娘たちにだったのだろうか、わたしにだったのだろうか。

まあ、『道楽しないんだから』の意味は、おそらく、“酒飲まない”“タバコ吸わない”“パチンコしない”“ゴルフしない”だいたいそんなところから出た言葉だとは思うのだけれど、わたしとしてはどれも別に我慢したり、特別努力したりしているという事柄ではないのです。“酒飲めない体質”“タバコやめたら吸う気しない”“パチンコは嫌い”“ゴルフ、1回コースに出て疲れて嫌になった”というだけなんです。
(この自転車ってやつが“道楽”なんだよ、おかあさん)
気分はまさに有頂天。ところがこのとき、ハッとしたんです。



大岡裁き
『いいんじゃないの、ねえ。お父さんは道楽しないんだから』といわれ、当然と言わんばかりにしていたわたしでした。でも、“ワイフ君”はそのセリフをわたしに言ったのではなく、自分自身を納得させ、娘たちに言い聞かせ、家族間の調整を計っていたんだなと思いました。(申し訳ないおかあさん、ありがとうな・・・)それを家族みんなの前で口に出しては言わなかったけれど、わたしはそう感謝しながら新しい自転車に乗せてもらうつもりなんです。

ということで、皆さんには誠にご心配をおかけいたしましたが、『修正2カ年計画』は“ワイフ君”の「大岡裁き」により、娘たちの“無言”という僅かな抵抗をもしりぞけて、無事通過いたしたのでありました。