
(2016.4.11福島県緑の文化財指定・二本松市指定天然記念物『東和祭田の桜』大きな画像)
『愛蔵寺の護摩ザクラ』を見て、いまは『東和祭田の桜』に向かっています。
普段は目にも入らない山の中に生えた名も無き桜たち。春にはこうして花を付けて、その存在を懸命に自己主張している姿には思わず目を奪われてしまいます。
前方に車が数台止まっているところをみると、あれがどうやら『東和祭田の桜』。
そこには数本の桜がありましたが、一見そんなに大きな桜はないように思えました。
一番高く天を突いているこの木が『東和祭田の桜』のようです。
途中で切り落とされた太い枝が痛々しく、それほどの桜ではないようにも思えました。下で写真を撮っている間に、“ワイフ君”はさっさと上にあがったらしく・・・
「こっちこっち、上に来ないと凄さが分からないよ!」
などと興奮しています。
この桜も『愛蔵寺の護摩ザクラ』とおなじく樹齢800年。滝桜の千年には及ばないとしても、すごい年月を生きぬいているんです。
土手の細い道を上がっていくと、斜めに天を突く、ひときは大きなその桜。
「凄いっ!」
これが『東和祭田の桜』の姿です。
なるほど、これは“ワイフ君”の言う通り、ここまでこないとその凄さは分からない。
ピサの斜塔のように、斜めに天を突く太い幹。樹齢800年という凄さが分かります。
『東和祭田の桜』は個人のお宅にある老木でした。庭先では保存会の方が案内して下さっていました。
『東和祭田の桜』は、ここでこのお宅の方々と、800年という歴史を刻んできたのですね。
800年の風雪に、失った枝も多くあるようですが、よく耐えて花を咲かせている姿には素直に感動を覚えます。
朽ちた部分が痛々しいです。するところ、樹齢千年という滝桜が、その枝ぶりをもよく保ちながら、現在もなお華麗・荘厳な美しい姿でいるということの希有さと貴重さをあらためて思ったのした。
駐車場に戻ったところで、こんな立派な案内板を見逃していたことに気がつきました。『樹齢では東日本8番目以内・・・。宅地造成で3mも埋まってしまった・・・』今のままでも、十分すぎるほど凄いと思って見てきたのに・・・。それじゃ、埋め立てられる以前の姿はどれほどのものだったというのでしょうか。
一見の価値あり、あらためて振り返って見あげてしまうほど凄い『東和祭田の桜』なのでした。
(シリーズ完)