脳梗塞発症からM病院に1か月入院した後、リハビリテーション病院に転院して本格的なリハビリを開始して更に2か月が経過しました。麻痺の起こった右半身のうち右手のほう、力こぶは左側と比べれば少し小さめですが、右腕全体のちからは大分回復してきています。手のひら全体のしびれはまだ残っていますが、それでも発症当初から比べれば軽くなってきているように感じています。手指の動きに関しては不自由さはまったくなくて、箸が使えるし、字も書けます。ただ、しびれによって物にふれた感触だけ少し違和感があります。発症前を10とすれば6ぐらいまでは回復できているように感じています。
問題はやはり足の方です。『杖無しで歩行が普通にできること、自動車の運転ができること』、これがリハビリテーション病院での目標だったことは前にも述べましたが、普通に歩くことの難しさを今更ながら実感している毎日です。頭の中には元気に歩いていたころのイメージが残っているのですが、足の方がどうも思い通りには動いてくれないのです。右半身への指令系統がダメージを受けたのですから当たり前のことなのですが、とりわけ順調な回復のネックになっているところが右半身の筋力の衰えだと強く感じています。
ここのところ、リハビリは帰宅後の生活を想定しての訓練がより多くなされるようになっています。歩行練習も杖をついての歩行から杖無しでの歩行へとウエイトが移行しつつあります。ただ、杖をついて歩くのはやはり歩きやすいと感じるのです。それは、まだ右足を信じ切れていない自分自身の心理と、実際に右足をついたときに起こる腰のぐらつきやひざの不安定な前後のぐらつきがあるためなのです。これは体幹や太もも、ふくらはぎの筋力が不足していることによるみたいです。そのための筋トレでいまは全身が軽い筋肉痛状態です。
あるとき、リハビリ終了後の自主練習のときに“走ることってできないんだろうか?”と考えました。看護師さんたちに見つからないように少しだけ走るまねごとをしてみました。残念ながら右足だけで落下してくる自身の体重を受け止めて跳ね上げるにはまだまだ足の筋力が不足のようで、沈み込んだ体を跳ね上げることができません。その結果、ピョコタン、ピョコタンというじつにぎこちの無い走りになります。いえいえ、走りにはなりませんでしたというのが正解です。
しかし、出来ないという感じではないのです。右足の跳ね上げる力が不足しているために前に出るスピードがそこで失われ、結果として次の左足のステップにつながらなくなるのです。ここは自分の右足を信じて思い切り使ってやることが大事なんじゃないだろうか。続きはしませんし、スピードは歩く速さと変わりませんが、ときどき何とか走る格好になるときがあります。『これは走れるかもしれない・・・』と秘かに思いました。
★【脳梗塞とリハビリの日々①】はこちらから/【脳梗塞とリハビリの日々⑪】へ